"観 光 地 - The Place for Lightseeing"
第3回 : MIRAIE リアン・コミュニティーホール 七間町
at MIRAIEリアン・コミュニティーホール七間町, Shizuoka
2016.12.23 [fri] OPEN 15:30 / START 16:00 / CLOSE 18:00
Charge : 入場無料
歴史的建造物などを舞台に過去に光を当て、現在進行形のパフォーマンスを魅せるパフォーミング・アーツイベント。アーティスト仙石彬人によるOHPを用いた絵画 "TIME PAINTING"のヴィヴィッドな光の世界が広がります。
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出演 :
蔭山ひさえ [朗読] + 古川はるな [音楽] + 仙石彬人 [TIME PAINTING]
演出・ヴィジュアル :
仙石彬人 AKITO SENGOKU
主催:静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター
協力:オルタナティブスペース・スノドカフェ
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「光をさがす旅へ」
MIRAIEリアンのある七間町は昭和から平成の初期には東海地方一の映画街として市内外から多くの人を集め賑わっていた。MIRAIEリアンも以前は映画館「静岡ピカデリーZERO」として、様々な映画を通して老若男女に娯楽を届けてきた。しかし時を経て、施設の老朽化やシネコンの隆盛、生活様式の変化などの理由から来場者が減り続け、結果的に映画街もひとつの館を残しすべて消え去った。
映画街として栄える以前、時代にして明治中期から昭和初期。この七間町界隈には40とも50とも言われる芝居小屋が立ち並んでいた。この辺りは大衆演芸の一大歓楽街としてそれは賑やかだったらしい。「七間町に行く」とは芝居を観に行くという意味だっただろうか。それが時代を経て映画街に変わっていった。大衆演芸が終焉を迎えて、映画にその座を譲り渡した。しかし芝居から映画に変われど、エンターテイメントやアートを人々に与え続けているという意味では、何も変わってはない。本物の伝統は常に変化や革新と共にあるのと同じことだろう。時代に合わせてアップデートしなければ、その伝統はいずれ終焉を迎えるはずだ。
21世紀の今。七間町はどうなっているのだろう。目を凝らして見えてくるものは何だろうか。映画館「静岡ピカデリーZERO」は、漂白された貸しホールに様変わりした。この変哲もないホールに光を当て当時の痕跡を探してみよう。残されたシミが私たちに何かを物語るかもしれない。それはこの七間町界隈の未来を探す旅にもなるだろう。
仙石彬人氏のアートパフォーマンス「観光地 - The place for lightseeing.」は場所性が重要なファクターだ。それは古刹だったり、重厚な歴史的建造物だったりするのだが、この無味乾燥なホールもまた今述べたような歴史に由来する場所性を持ち合わせている。ここを照らすことによって浮かび上がるものは何だろうか。それを目撃することが「伝統」を受け継ぐ一歩となることを願う。
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[PROFILE]
Photo : 村山真平 Shimpei Murayama |
仙石彬人 AKITO SENGOKU [TIME PAINTING, Visual]
https://vimeo.com/akitosengoku
https://vimeo.com/akitosengoku
1983年 静岡県浜松市生まれ。京都市在住。2004年より「時間に絵を描く」をテーマに、OHPを用いたヴィジュアルによるライブパフォーマンス"TIME PAINTING"をはじめる。宇宙や空、または細胞の世界を覗きこんだような抽象的なヴィジュアルイメージは、カラーインクやオイル、水などの液体を使って即興的に作られ、投影されている。まるで演奏をするかのように、3台のOHPを同時に操りながら紡がれる、光による物語の世界は、レイヤー状に重なることで深く、より緻密に複雑に広がり続けている。
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Photo : 村山真平 Shimpei Murayama
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ミズモノ : 今 貂子 [舞踏] + ryotaro [sound] + 仙石彬人 [TIME PAINTING]
白虎社出身の舞踏家 今 貂子とエレクトロニクスを融合したアコーディオン弾きのryotaro、そしてOHPを用いたヴィジュアルによるライヴパフォーマンス”TIME PAINTING”の仙石彬人によって2012年結成。即興ではあるが、根底に流れるそれぞれの頭の中にある物語や風景、記憶や想像を一つの作品として体現する。
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Photo : 村山真平 Shimpei Murayama |
今 貂子 Tenko Ima [舞踏家]
舞踏家、振付家、演出家。今貂子舞踏研究所代表。舞踏カンパニー 倚羅座主宰。1980-94年、舞踏グループ白虎社に参加。ヨーロッパ、アジア、南米の海外公演、国内公演に舞踏手として出演、また衣裳デザイン・製作を担当。
1999年、舞踏ワークショップ開始。2000年、ワークショップを母胎に、舞踏カンパニー「今貂子 + 倚羅座」結成。2005年、今貂子 + 倚羅座ヨーロッパツアー。2007年より、京都・五條會館 (旧五條楽園歌舞練場)にて、カンパニー定期公演に取り組む。2012年「花軍」、2013年ソロ公演「閃光」では、文化庁芸術祭参加。2014年、カンパニー名を、舞踏カンパニー倚羅座と改めた。
日本の芸能の源流にみられる「たまふり(命の活性化)の力」に支えられたアバンギャルドな舞踏の探求を通じ、独自の境地を開拓。五條會館での定期公演を軸に、野外パフォーマンス、京都 UrBANGUILDでのコラボレーションなど、則に新たな命を吹き込むべく、奮闘を続けている。
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Photo : 村山真平 Shimpei Murayama |
ryotaro [Acc, Synth]
エレクトロニクスを融合したアコーディオン弾き。96年からナスノミツル (アルタードステイツ)、三条とおる (EP-4)らの"elements"に加入後、数々のアングラの巨匠達との共演を経て近年、中山ラビのツアーメンバーを務め、ミュージシャンだけでなくダンサー、パフォーマー等との共演を展開。またNY, LA, EUでのライヴ活動も精力的に行う。’10, ’11年と、coba主催のイヴェントに参加。京都木屋町UrBANGUILDのブッキング担当。早朝の三条大橋と猫をこよなく愛する。
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蔭山ひさ枝 Hisae Kageyama [舞台俳優]
愛知県出身。劇団渡辺所属。静岡大学在学中から演劇活動に打ち込む。卒業後も大学の劇団仲間とともに劇団を立ち上げ活動を続ける。演出家鈴木忠志氏のスズキ・トレーニング・メソッドをベースに日本人の身体を意識した演技に取り組んでいる。恵まれた体格を生かしたダイナミックな演技はもちろん繊細な感情表現まで演技の幅は広い。少女や青年、お婆さんまで与えられる役を的確に演じていく対応力には定評がある。所属する劇団渡辺での活動のほか、静岡まつり大演舞場のMC、映像作品への出演、ワークショップ講師など様々な活動を展開中。
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古川はるな Haruna Furukawa [フルート奏者]
静岡市出身。静岡県立清水南高等学校芸術科を経て、東京藝術大学音楽学部を同声会賞を得て卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程、博士後期課程修了。博士研究論文「クロード・ドビュッシーの音楽詩学ーフルート作品の意味論的考察ー」により博士号(音楽)取得。パリ・エコールノルマル音楽院高等演奏課程を審査員満場一致で修了。静岡県学生音楽コンクール第1位、県演奏家協会長賞、県教育長賞受賞。静岡県フルートコンクール第1位。国際芸術連盟新人オーディション最優秀新人賞受賞。国内主要オーケストラと共演、客演多数。アジア、ヨーロッパ各地でも演奏を行う。常葉大学短期大学部音楽科非常勤講師。静岡県学生音楽コンクール審査員。
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MIRAIE リアン・コミュニティーホール 七間町 http://s-machi.net/